作品展とパンフレット

たまです。
先日、3331Arts Chiyidaという施設で開催された「TURNER AWARD」という作品展を見に行ってきました。
3331Arts Chiyidaは、閉校した中学校を改修して出来た新しいアートスペース。元運動場である屋上(ココが都心の学校っぽい!)では、オーガニック菜園が作られていて一般公募でレンタルもしているそうです。机や椅子のみならず、下駄箱も再利用されていて懐かしさに満ち満ちているのに、古くささは感じられない不思議な空間になっていました。


  3331Arts Chiyidaの外観はまさに学校

「TURNER AWARD」はターナー色彩株式会社という絵の具を扱っている会社が、1990年から開催している学生を対象にした公募展。基本的にアクリル絵の具を使用した絵画やオブジェ、イラストレーションの作品が揃っていました。大賞、未来賞、入選作品合わせて22点を展示。新印象派の絵のように点描で描かれた風景や、触るのがイヤと思うくらい写実的に描かれた挽き肉、偶然にできたとしか思えないマーブル模様などなど。
昨年、美大生の作品ばかりを集めた「THE SIX」という作品展に行った時は「これは!」という作品がたくさんあって発想の豊かさにかなりワクワク。商業的ではないモノのおもしろさを感じました。
今回も学生の作品なのでちょっと期待。しかしながら若干ワクワク要素が不足・・・と思っていたら、傍らに置いてあるパンフレットが存在を主張しているではありませんか。
とてもよい紙を使っていて印刷もきれい。「これ、フリーで戴いていいのかしら?」と思うくらい立派なのです。ちょっと調べてみたら、吉川紙商事の「新木古利(SHINKIKORI)」というオリジナルの紙を使用していました。もちろん展示されている作品が主役ではあるとは思いますが、それを別のカタチで表現するパンフレットにもパワーがあってひとつの作品展が成り立っているのだなと改めて実感。無料で見られる公募展でこんな立派なパンフレットが作成されているのがちょっと意外でもあり嬉しくもあり。


   パンフレットの表紙は大賞作品

お店に行って思うこと

こんにちは、安部です。

今回はお店に行って思うことについて、書きたいと思います。

クライアント樣からの依頼で店舗へ訪問して、ご意見をさせて頂くことがあります。このときに、私たちはファッションマーケティングの企業なので、ブランド・MD・VMD・商品を中心に分析を進めてゆきます。このときに、MD・商品などについて改善点があることが多いように思われるのですが、それ以外にも改善点があると思われるときがあります。

例えば、数シーズン前のキャリー品がストックにたくさんあったりします(運転資金の増大)。また、本社や上司とのコミュニケーションがとれていない、キャリアパスや報酬などのシステムが不明瞭で、その結果、スタッフのモチベーションが低いことがあります(組織マネジメントの問題)。トレンドを取り込んだ良い商品を供給することは必要ですが、財務や組織などもうまく運営されないといけないと思うのです。

ここ数年で社会経済的な潮流は大きく変化しました。経済の軸が変わり、消費者の価値観も変わり、これまでは通用したことが通用しなくなってきています。売上は縮小均衡に向かい、これからの時代に向けて営業政策の転換が求められています。そして、転換した政策については、営業(販売)・企画・財務・人事・生産・物流など、各々の機能の「最適な擦り合わせ」が求められています。経営環境の変化によって、これら各機能がバラバラになってしまった企業もあるように思われます。好調な企業は各機能がしっかりとまとめあげられ、強いリーダーシップによって一貫性の高い経営が行われ、お客様にも高い価値を提供しているように思います(スタートトゥデイの「ZOZOTOWN」なんかが好例だと思います)。

http://news.livedoor.com/article/detail/4293224/

セール花盛りですが ...

チルダです。

みなさん、冬のセールには行かれましたか?
私はセールどころか、今期は冬物を一着も買っていないことに気づきました!

昨年の夏に引っ越しをしたのですが、衣類の収納環境が変わり、収まりきらない服がちらほら。
増設したクローゼットの扉も、冬物の重衣料でパンパンで、押して閉めないと閉まりません。

そんな光景を日々目にしているせいか、今期は大人しく、買い物を自粛しようと思った ...のでしょうか?
我ながらよくわかりませんが、なんとなく、コレが欲しい!というアイテムも思い浮かびません。

そうこうしているうちに、春物新作もちらほら。
また新しいシーズンが始まります。

プレフォールのコレクション画像もようやく、ビッグブランドのものがリリースされたり。
ひと月後には2011AWのNYコレクションが始まっている頃。

トレンドに大きな動きがなくなって久しいですが、今期はどんな動きがあるのでしょうね。
ひと足早く、メンズのコレクションが始まるので、そちらでシーズンの雰囲気を先読みしてみたいと思ってます。

今後注目されるひざ丈/ミモレ丈スカート

こんにちは、トビーです。

ここ数年、マーケットではミニスカートが中心となっていますが、もうそろそろ世の中のキャリアはお腹いっぱいになってきたのではないかと思います。
私も、最近ミモレ丈のスカート(カジュアルテイストですが・・)を購入したところ、久々で新鮮!!久しぶりのミモレ丈スカートなので、もちろんそれに合わせるトップスがタンスに無い→ついでにトップスも探すことに。色々試行錯誤を繰り返し、購入したのがショート丈ニットでした。

そう、これからミモレ丈やひざ丈を展開するならば、それに合わせるトップスも必ず需要がある!ということです。

2011春から、ひざ丈やミモレ丈スカート、ワイドパンツなどがコレクショントレンドも影響されて、注目されます。
同時に、そのアイテムとコーディネート性の高いトップスの需要も高まると考えられます。

私は、ミニ丈トップスがオススメです。
マキシ丈キャミワンピースとのレイヤードでも使えるので、汎用性が高いと思います。

2010AWこの色が流行った!!

こんにちは!トビーです。

私は、毎週店頭のリサーチをしているのですが、今年の秋冬はキャメルとレッドの当たり年だったと思います。
秋の立ち上がりから、どちらの色も売れ行きが良かったようです。

アウターでも、好調な色だったようで、各ブランドでキーカラーとなっていました。
クリスマスに向け、特にレッドの比率が上がりました。

ちなみに、昨年の秋冬はパープルやベリーカラー、ロイヤルブルーが多かったのですが、今年は少なかったように思います。

2011春夏コレクション速報!(というより、個人的な興味の対象)

今月9/9から始まったNYを皮切りに、ロンドン、ミラノ、パリと、ファッショントレンドに影響を与える主要都市でのファッションウィークが開催されています。(昨日、ミラノが最終日、パリの初日でした。)

弊社でも年に2回のコレクショントレンド分析であたふたしていますが、その担当メンバーの一員であるわたくしマチルダは、分析作業を進めつつ、自分のアンテナにビビっときたブランドのルックを簡易コラージュにてまとめるという、完全に自分の為の作業を業務の合間にしていました。
もう今は、本格的に纏め作業をしなくては、という段階に入ったので、ミラノに関してはその作業が出来ておらず残念です。

なので、主にNY中心ということになりますが、ここにその個人的興味の対象となったブランドのお気に入りルックをザザっとご紹介します♪

完全に個人的なモノなので、これらがトレンドの本流に影響があるかどうかは保証出来ませんが …(最後に載せる本命を除く!)




【Marc by Marc Jacobs

70年代から見た40年代のイメージ、というようなことが某海外サイトのレビューに書かれていました。
NYコレクションがスタートしてから、正直数日間はそのパっとしなさ加減に、分析のモチベーションが下がりっぱなしでした。(やっぱり、新しいシーズンの新作を見るのは仕事とは言え、期待感というものがあるのです。)
そのモヤっとした気持ちを一掃してくれたのが、このマークbyでした。
元気いっぱいのカラーリングに楽しげな柄。
どれもが見たことのないものではないのに、何故こんな風に新鮮に見えるのでしょう。
さすが、マーク様!!っと、唸りました。




Marc Jacobs

セカンドラインを先に載せてしまいましたが、シグニチャーラインも70年代ムードに溢れていました。
リッチで遊び心のある、それでいてセクシーなリゾートウェアのムード。
色づかいがリッチ&ディープで、深みのあるレッド系が印象的でした。
こういうブワっと広がったフラッパーヘアー(ソニア・リキエルっぽい?!)にしているブランドが他にもあり、目につきました。




【Rodarte】

10AWのロマンティックで日本で言うところの森ガール風ルックがかなり話題になったロダルテ。
今シーズンも期待していました …期待しすぎだったかな?!
今みたいな時代には珍しい、クリエイションとしてのファッションを貫いているブランドだなあと感心します。
子供の頃に遊んだ、裏庭からの発想なんだそうです。
掘っ立て小屋や塀みたいな、木目調の柄が多用されています。
70年代のアメリカの郊外というワードも。
あ、またもや70年代ですね!
私は、どことなくJUNYA WATANABEっぽいムードを感じました。




【Ralph Lauren】

ガラっとムードを変え、大御所ラルフ様。
10AWは個人的に「ガッカリ」なかんじでしたが、今シーズンはステキ!すてき!と、驚喜乱舞(笑)しました。
決して自分ではこういうスタイルの着こなしはしませんが、ほんと、ため息もののステキさです。
ウェスタン、カウガールっぽいムードは、今年の春夏にD&Gもどきのアイテム&スタイリングの大流行があったので、正直、来年はどうなのかなあ?と思っていますが …。
これぞ、ラルフ・ローレン!!と、拍手喝采(←私の中で)のコレクションでした。




Anna Sui

ここまでブレないブランドって、すごい。もうアナ・スイ道をゆくのみ、ですから。(笑)
今シーズンも可愛い!!
でも、あれ …?!今回って、春夏だよね?!秋じゃ …ないよね?!という疑問が何度も沸いたコレクションでした。
ランウェイの背景のセットも、「実りの秋」みたいなかんじに見えるし、色づかいがとにかく秋っぽい。
色の傾向は、ミラノに入ってガラリと変わりましたが、NYだけを見ていた時点では、春夏らしいパステル系やブライト系が弱く、リッチ&ディープなこっくりとした色合いが目に付いていたのです。




【Proenza Schouler】

わたくし、個人的にここ数年、大注目のブランドです。
服、欲しいナ … でも、高くて手が出ないナ …
セクシーさがあって、エレガントで、洗練されてて、でも全然コンサバじゃなくて、エッジィなムードもある。
毎シーズン打ち出すムードは変化しているのに、いつもちゃんと「プロエンザらしさ」を感じるところがブレてなくてイイなと思います。
こんな服を颯爽と着こなす女性になりたかった。(←過去完了形 …もう諦めている)

NYはザっと、このあたりが私の心に響いたラインナップです。

さて、ミラノもいろいろとご紹介したいブランドの新作があるのですが、きょうのところは本命ブランドひとつのみのご紹介とさせていただきます。
分析作業を急ピッチで進めないと!!!っという、眉間に皺の寄る時期なので …。



【D&G】

こりゃもう、コレでキマリだ!!!っと思いました。
もう何年も、という気がしますが、D&Gは日本の(世界の?)ヤングファッション市場のトレンドを一手に牽引しています。
気づかずにそういう格好をしている消費者がほとんどだとは思うのですが …。
とにかく、「もうD&Gだけ見ておけばいいんじゃないですかァー?」と、若干やさぐれてしまいそうになる程です。
春夏にはカウガール旋風、秋冬にはノルディック柄旋風 …。
ほら、もうD&Gだらけ。
ブロックチェックも花柄も、見慣れた柄なのに …。
なんでこんなに可愛いんでしょうかーーー!!!!
これはもう、キマリですね。
ハイ、来年の春夏は「ガーデン・ガール」みたいな打ち出しが蔓延するに違いありません!!!(断言)



以上、マチルダの個人的な2011春夏レポートでした。

そして、弊社も関わらせていただいております、トレンドセミナーの開催が予定されています。
現実的な日本市場を踏まえた実用的なトレンド情報の提供を心掛けております。
ご興味のある方はぜひ、下記のご案内ページをご覧くださいませ。

大洋交易主催 セミナー情報
http://www.next-eye.net/seminar.html

家なかの加速

こんにちは、安部です。


みなさん、家なかブームってご存じですか?
「そんなの知ってるよ!」って怒られてしまうかもしれませんね。
では、家なかブームは今後、どうなっていくのでしょう。
このヒントをいくつかの統計から読み解いてみようと思います。


厚生労働省の勤労統計調査によると、2009年の月間現金給与総額は31万5164円で、前年から3.9%減となり前年と比較できる1991年以降では最大の減少率となりました。2009年の年間実労働時間も前年比2.9%の1733時間と過去最大の減少率となりました。昨年の日本企業では、仕事がない状況が続いていたわけです。そして、勤労者の勤務時間は減ったということになります。


2010年4月の日経産業地域研究所の調査によると、男女20代〜60代全体平均で「退勤時刻が早くなった人」は24.4%、「退勤時刻が変わらない人」は58.1%、「退勤時刻が遅くなった人」は17.5%です。さらに、午後7時前に帰る人は、2007年3月では49.0%であったが2010年4月では62.4%となっています。
このように、勤労者は退勤時刻が早くなったわけですが、早く帰る分の時間に何をするようになったかというと、スーパーやコンビニに行くようになった人が多くなったという調査結果です。一方で映画を観たり、買い物をしたり、友人と会ったりすることはないようです。つまり、家に帰ってゆっくり過ごす時間が増えているということでしょう。


このように、家なかブームは拡大していると考えられます。
自分に当てはめても、そうかなと思います。
家に早く帰れる日が去年よりは多くなりました。
そして、私が楽しみにしていることがあるんです。
それは「DOMMUNE」というUSTREAMのサイトです。
クラブに行くのはおっくうなので行っていないのですけど、家の中で有名なDJのパフォーマンスをリアルタイムで体験できるのです。
また、ツイッターにも連動しているので、みんなでDJのパフォーマンスについてつぶやいてオーディエンスとの一体感を感じることもできるわけです。
http://dommune.com/

DOMMUNEは映像作家の宇川直宏氏が今年の3月から始めたライブストリーミングプロジェクトで、渋谷の専用スタジオで毎晩19時からトークショーを、21時から24時まではDJによるパフォーマンスが中継されます。映像・音ともに質が高いので、ディープなクラブミュージックも満足のレベルです。昨夜はデリック・メイというデトロイトテクノでは有名なDJが出演し、深夜でも5000人も視聴者がいました。今月初旬のメタモルフォーゼという野外フェスで見逃したDJだけに大満足でした。



このように、外に出掛けなくなり自分の家でパジャマッコリするようになっているわけです。
家なか加速の理由は、企業業績の悪化、消費者所得の減少、IT技術の進化、ソーシャルメディアの浸透、消費者価値観など、様々な要因が絡み合っています。そして、細かくは説明しませんが、これらのトレンドは家なかブームを拡大する方向で進むのではないかと思います。


ファッション業界の私たちにとっては、早く会社を退勤するならお店に寄って欲しいということになるのですが、それが難しいのが実情なようです。それならば、アパレル業界は売上に繋がるような動きを実店舗以外で、今の生活者の実態に即した形で実践してゆくことが重要になるのです。