社会的性別(ジェンダー)とファッション

こんにちは、安部です。

社内でこんな話しを聞きました。
「最近の若い女の子って、電車の中で平気でメイクしたり、順番を守らないで割り込んできたり、礼儀がないよねー」

ここでいう若い女の子とは20歳位を指すのですが、まあ、そうなのかなーと思っていました。
と、その日渋谷で東横線の始発に乗るために列に並んでいたのですが、
列に並んでいない大学生風の普通の女の子が、私の前を割り込んで入ってきて、座ってゲーム(ニンテンドーDS)を始めました。

「最近の若者は、なっとらん!!」なんて小言を言うつもりはありません(私もアラサーですからっ)。
むしろ、女の子っぽさがないなって感じました。これは、見た目のことではありません。
私はmixiなどで色々な人のプロフィールを見て、趣味や考えていることを理解しようとしたりすることがあり、
足跡を付けた人には多分アブないやつだと思われていると思うのですが、
20歳前後の女の子の場合に自分のプロフィールで「性格は女っぽくないってよくいわれます」とか書いてあることが結構あるのです。
性格が女っぽくないことが、ウケるようになってきたのだと思います。
そういう風に、社会的な性(身体的な話しではありません)における価値観が変わってきているというわけです。

一方で、男性は草食男子と言われて久しくなりました。
ピンクのアイテム、かわいいキャラクターグッズ、スイーツ、化粧品など、
従来であれば男子が持たなかったアイテムを持つようになりました。
昔であれば、「男なのに・・・」って言われますが、今は「良いね!」とか「かわいい!」って言われるのです。
男性という性がこうあるべき、という価値観も変化してきたわけです。

上記のように、男性と女性の「こうあるべき」という社会的性別(ジェンダー)が、
なくなってきている、もしくはフラットになってきているように思われるわけです。

このことは、女性が社会に進出して会社でバリバリ働いていたり、
逆に男性が育児に専念し、育児休暇を取れるようになってきたり、
という社会の制度にも影響を与えてきています。

「だからさー、それってファッションと関係あるの?」ということになると思います。
最近まで2012年SSジェネラルトレンドの分析を行っておりました。
来春の有力なトレンドとして、ジェンダーがあがりました。
ファッションの世界でも性別という枠組みが取り除かれて、
男性はこういう格好、女性はこういう格好という考え方がなくなっていくトレンドが浮上してきたわけです。
これって、日本で起きている価値観の変化と符合すると思っています。

このジェンダーに関するトレンド、女性がマスキュリンな格好をする、男性がフェミニンな格好をするということではありません。
そもそも、女性性・男性性という考え自体をフラットにして、デザインが起こされるわけです。
イメージはダークでアーティスティック、スタイルはテーラードスタイルが多いかなって感じですね。

みなさんも「男性とはこう」「女性とはこう」という考え方、変わってきていませんか?
このジェンダーというキーワード、みなさんも注目してみてください。