家なかの加速

こんにちは、安部です。


みなさん、家なかブームってご存じですか?
「そんなの知ってるよ!」って怒られてしまうかもしれませんね。
では、家なかブームは今後、どうなっていくのでしょう。
このヒントをいくつかの統計から読み解いてみようと思います。


厚生労働省の勤労統計調査によると、2009年の月間現金給与総額は31万5164円で、前年から3.9%減となり前年と比較できる1991年以降では最大の減少率となりました。2009年の年間実労働時間も前年比2.9%の1733時間と過去最大の減少率となりました。昨年の日本企業では、仕事がない状況が続いていたわけです。そして、勤労者の勤務時間は減ったということになります。


2010年4月の日経産業地域研究所の調査によると、男女20代〜60代全体平均で「退勤時刻が早くなった人」は24.4%、「退勤時刻が変わらない人」は58.1%、「退勤時刻が遅くなった人」は17.5%です。さらに、午後7時前に帰る人は、2007年3月では49.0%であったが2010年4月では62.4%となっています。
このように、勤労者は退勤時刻が早くなったわけですが、早く帰る分の時間に何をするようになったかというと、スーパーやコンビニに行くようになった人が多くなったという調査結果です。一方で映画を観たり、買い物をしたり、友人と会ったりすることはないようです。つまり、家に帰ってゆっくり過ごす時間が増えているということでしょう。


このように、家なかブームは拡大していると考えられます。
自分に当てはめても、そうかなと思います。
家に早く帰れる日が去年よりは多くなりました。
そして、私が楽しみにしていることがあるんです。
それは「DOMMUNE」というUSTREAMのサイトです。
クラブに行くのはおっくうなので行っていないのですけど、家の中で有名なDJのパフォーマンスをリアルタイムで体験できるのです。
また、ツイッターにも連動しているので、みんなでDJのパフォーマンスについてつぶやいてオーディエンスとの一体感を感じることもできるわけです。
http://dommune.com/

DOMMUNEは映像作家の宇川直宏氏が今年の3月から始めたライブストリーミングプロジェクトで、渋谷の専用スタジオで毎晩19時からトークショーを、21時から24時まではDJによるパフォーマンスが中継されます。映像・音ともに質が高いので、ディープなクラブミュージックも満足のレベルです。昨夜はデリック・メイというデトロイトテクノでは有名なDJが出演し、深夜でも5000人も視聴者がいました。今月初旬のメタモルフォーゼという野外フェスで見逃したDJだけに大満足でした。



このように、外に出掛けなくなり自分の家でパジャマッコリするようになっているわけです。
家なか加速の理由は、企業業績の悪化、消費者所得の減少、IT技術の進化、ソーシャルメディアの浸透、消費者価値観など、様々な要因が絡み合っています。そして、細かくは説明しませんが、これらのトレンドは家なかブームを拡大する方向で進むのではないかと思います。


ファッション業界の私たちにとっては、早く会社を退勤するならお店に寄って欲しいということになるのですが、それが難しいのが実情なようです。それならば、アパレル業界は売上に繋がるような動きを実店舗以外で、今の生活者の実態に即した形で実践してゆくことが重要になるのです。