百貨店の未来

こんにちは、代表の栗山志明です。


ドイツには大手百貨店が4社ありましたが、昨年夏にヘルティ、今年の4月にはウールワース、さらに6月にはカールシュタットと1年で4社中3社が破綻するといった異常事態になっています。


メディアは百貨店という業態そのものが、もはや時代遅れであると報道しており、再建の道は厳しいものになっています。日本の百貨店がドイツと同じだとは言いませんが、昨年来、大幅な売り上げの減少、駅ビルやファッションビルへの顧客の流出、百貨店ブランド離れなど共通するキーワードはドイツと同じような言葉が並びます。


百貨店で展開されているブランドの価値、百貨店そのものの価値、販売されている商品の価値、販売されている商品の価格価値、顧客が望む価値と百貨店戦略の関係にズレが生じ、そのズレを解消できないために業態そのものの価値が低下してしまったといえるのではないでしょうか。


今は不況で顧客の買い控えが進んでいるために客離れが起こっていますが、いずれ景気がよくなればまた顧客は戻ってくるという考えは通用するのでしょうか。将来不安もあり貯蓄率が上がる中、生活者は可処分所得の使い道を大きく変えようとしています。


高付加価値売場や商品への憧れ意識は薄らぎ、よりリアルな生活に根ざした堅実消費が当たり前になりつつあります。このように考えると百貨店の未来は暗くなりますが、本来、小売業の基本はお客様視点、生活者視点なわけですから、今こそ顧客の立場で考えた新しい百貨店業態へのチャレンジが求められているということでしょう。