アクセサリーミュージアム

こんにちは。ウラシマです。


突然ですが、質問です。
街中にあふれるファストファッションに取り巻かれ、トレンドを追いかけ、「本当に美しいデザインって何?」「ファッションって何?」とちょっと見失いかけていませんか?
消耗されるだけの、何の思いも感じられないデザインに心が疲れてきていませんか?


今日は、そんな方にオススメな以前行った、目黒にある「アクセサリーミュージアム」を紹介したいと思います。


そのミュージアム東急東横線祐天寺駅」から徒歩5分、静かな住宅街の中を歩いていくと、巡り会う事ができます。


一般住宅を改装したというシックな館の地下から地上2階が展示スペースとなっていて、オーナー夫妻がコレクションした'50-'80年代のコスチュームジュエリーが分かりやすく時代区分ごとに展示されています。



ガラスケースの中のアクセサリー達を眺めていると、その技巧の素晴らしさや、美しさに思わずため息がでてしまいます。いったいどれほどの時間をかけて作られたのでしょう...どれほどの思いが込められているのでしょう...
美しいものを見ると、カラカラに乾いた心が、透き通ったきれいな水で充ち満ちてきます。


それぞれのケースにある文化や風俗についての時代考証の説明書を読みながら、それぞれのアクセサリー達が生まれた背景に思いを馳せ、いくつかある展示室を回っていくと、歴史の流れやその中でのアクセサリーの存在を感じ、まるで小さな時間旅行をしているような感覚に陥ります。



アクセサリーを展示している傍ら、置かれているアンティークのランプや家具もとっても素敵です。


特にファッションに携わるお仕事をされている方にオススメなのが、地下の近代の展示です。70-80年代のアクセサリーとともにバッグや帽子、70年代シャネルのスーツや寛斎のロングスカジャンなど中々実物は見る事ができないようなとっても貴重なアイテムが展示されています。


近代日本においては、“ヤングファッション”というものが存在せず、子供服からいきなり大人服へとかわらなければならなかったそうです。
「そんな中で、私たちが日本の若者文化やヤングファッションを作ったのよ!」と、寛斎のものすごいアバンギャルドな刺繍が施されたスカジャンを前に、オーナー夫人であり館長の田中元子さんが説明して下さいました。そんな話を聞きながら、スカジャンを眺めていると本当に、そんな気合いやパワーを感じました。館長ご自身もただ者ではないオーラ...!
運良く遭遇できれば館長からじきじき、色々な説明を聞くことができます!


「一瞬たりとも立ち止まることのないファッショントレンドはいつの時代も世相を映し、人々の「希望」の姿でもありました。アクセサリーはそうしたファッションの傍らに常にあり、人々を飾り引き立て、時にはファッションを凌駕する存在感を主張してきたのです。
非常に流動性が高いファッショントレンドの中にあって、アクセサリーはことさら潔くその場を立ち去っていきます。その動きの中でこれまで、多くの技法や繊細な手仕事、素材などを失ってしまう結果となりました。〜中略〜 そこには既に伝説化している、遺産とも言うべき職人達の高い美意識と知恵や工夫が結晶化しています。」
                    〜アクセサリーミュージアムホームページからの抜粋


「不況」「ファストファッション」、飛び交うトレンド情報、ブランド同士のパクり合い...
現代の私たちを取り巻くファッション環境は私たちの心さえも消耗させます。


職人達が作り上げた妥協のない美しいアクセサリー達に出会い、
私たちの先輩たちが作り上げたファッション文化に触れ、パワーを得たい方、ファッションが人々の「希望」である事を思い出したい方、ぜひ訪れてみてください。
あ、8月の1ヶ月間は休館になるそうなので、お気をつけて。


ACCESSORY MUSEUM アクセサリーミュージアム
所在地:東京都目黒区上目黒4丁目33番12号
http://acce-museum.main.jp/index.html