音楽とファッションのトレンド

こんにちは、安部です。


大学生の頃(5年〜10年前)から、私はエレクトロニカNEW WAVE、ハウスといったクラブミュージックが大好きで、好きなDJが来る日はクラブに行っていました。クラブによってはクリエイティブ、エグゼクティブ、芸能人などが集う社交場でもあり、そのような場所に行くことに刺激も感じていました。


この1〜2年でクラブミュージックは全盛となりましたが、背景としてはUKやパリなどに根を下ろしていたModular、ED BANGER、KITSUNEなど、当時アンダーグランドなレーベルが、ニューウェーブ的なエレクトロミュージックを世界に広げたためであると考えられます。


Modular
http://www.myspace.com/modularpeople

ED BANGER
http://www.myspace.com/edbangerrecords

KITSUNE
http://www.myspace.com/maisonkitsune


しかし、今、クラブに行っても前とは同じ状況ではないことに驚きを感じます。クラブが普通の人や普通の会社員で溢れているのです。


かつて渋谷の小さいクラブでプレイしていたDJが有名になり、Perfumeなどの音楽プロデューサーとなりました。一方で、知り合いのアートディレクター、ファッション業界人たちはクラブから遠ざかっています。クラブカルチャーが広がって一般化しましたが、トレンドに敏感な人々は逆にクラブから離れたことを肌で感じるのです。


ダンサブルでアゲアゲなクラブミュージックが流行っていましたが、最先端の音楽トレンドは分散化しているように思えます。そして、ポップ・フォーク・ダーク&エレガントな要素が浮上して、クラブミュージックとミックスされているように思います。


ファッションのトレンドを考える際には、音楽のトレンドも考慮するべきでです。なぜなら、ファッションは音楽とリンクしているためです。上述したようなクラブカルチャーがファッションの世界にも影響を与え、最近の80年代トレンドを創り出したと考えられます。今ではこの80年代トレンドもマスまで広がって、マーケットでは飽和に向かっています。そのため、考えなければならないのは「次はどんなファッショントレンドが浮上するのか」ということだと思います。


弊社では、「海外展示会(ヤーン・生地)情報」「トレンドブック(Promostylなど)」「国内マーケット」を分析して、約1年先のジェネラルトレンド情報を導き出しています。そのなかから重要なファッションテーマを1つご紹介すると、それは「黒人ミュージシャン」です。現代的なカウンターカルチャーとしてのヒップホップミュージックではありません。むしろ近代のJAZZ・SOUL・FUNK・R&Bであり、成功した黒人ミュージシャンの栄光や栄華がキーワードとなりそうです。


アメリカの伝説的な音楽番組「ソウル・トレイン」が映画化されることとなりましたよね。さらに、マイケル・ジャクソンドキュメンタリー映画This is it」は人気となりました。これは偶然でしょうか?
このようなことに影響されてか、私も70年代を中心に活躍したマーヴィン・ゲイMarvin Gaye)やザ・クルセイダーズ(The Crusaders)などのソウルやジャズを、気づかないうちに聴くことが多くなりました!!



ソウル・トレイン


このような黒人ミュージシャン系トレンドが来秋冬の表現として重要となると予想されます。
ジェネラルトレンド、マーケットトレンドでもこのテーマが登場しているため、
どうか、このキーワードを心の隅に置いてみてください。